[日韓首脳会談] 3月16日、日韓関係改善へ動き出す「シャトル外交」再開確認
[日韓首脳会談] 3月16日、日韓関係改善へ動き出す「シャトル外交」再開確認
日韓関係改善へ動き出す 首脳会談で「シャトル外交」再開確認
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230316/k10014010651000.html
2023年3月16日のNHKニュースより転載
岸田総理大臣とユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の日韓首脳会談が行われ、国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係をさらに発展させていくことで一致し10年以上途絶えている、首脳間の相互訪問、「シャトル外交」の再開を確認しました。
戦後最悪とまで言われた日韓関係は、改善に向けて大きく動き出しました。
岸田総理大臣は、16日、日本を訪れた韓国のユン・ソンニョル大統領と午後5時前からおよそ1時間半、総理大臣官邸で首脳会談を行いました。
韓国の大統領が日本を訪問して首脳会談を行うのは、国際会議にあわせたものを除けば12年ぶりです。
岸田総理大臣は、会談のあとの共同記者会見で太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国政府傘下の財団が日本企業に代わり支払いを行う解決策について「日本政府としては、この措置を、非常に厳しい状態にあった日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして評価している」と述べました。
また、財団が原告への支払いを終えたあと、日本企業に弁済を求める、いわゆる「求償権」をめぐっては「ユン大統領の力強いリーダーシップのもと、韓国の財団が判決金などを支給する措置が発表された。措置の趣旨に鑑み、求償権の行使は想定していないものと承知している」と述べました。
その上で「日本政府は1998年10月に発表した日韓共同宣言を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいることを確認した。今後、韓国側の措置の実施とともに、両国間の政治、経済、文化などの分野における交流が力強く拡大していくことを期待する」と述べました。
会談で、両首脳は、安全保障環境が厳しさを増す中、日韓関係の強化は急務だとして、1965年の国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づいて関係をさらに発展させていくことで一致しました。
そして、10年以上途絶えている首脳間の相互訪問、「シャトル外交」の再開を確認しました。
また、けさの北朝鮮による弾道ミサイル発射をめぐっても意見を交わし、日韓両国やアメリカを加えた3か国で緊密に連携して対応していくことを確認しました。
さらに、両国の外務・防衛当局による「日韓安全保障対話」をおよそ5年ぶりに再開させることや、半導体のサプライチェーンや量子技術を含めた先端技術の優位性の確保などで協力を強化するため、経済安全保障に関する対話の枠組みを新たに創設することも確認しました。
また、両首脳は、日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAについて、両国が安全保障面での連携を強化することが地域の平和と安定に寄与するとして、安定的に運用していくことで合意しました。
このほか、「自由で開かれたインド太平洋」の重要性とともに、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くための同志国による連携の必要性を共有しました。
岸田総理大臣は、一連の会談の成果も踏まえ、記者会見で「今回のユン大統領の訪日は、日韓関係の正常化にとって、大きな1歩となった。訪日を契機として信頼と友情が育まれ、日韓関係が大いに飛躍することを期待している」と述べました。
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題などを背景に、戦後最悪とまで言われた日韓関係は、改善に向けて大きく動き出しました。
一方、岸田総理大臣は会談で、慰安婦問題について、過去の両国間の合意の着実な履行を韓国側に求めたほか、島根県竹島をめぐる問題でも日本の立場を伝えました。
韓国のユン・ソンニョル大統領と岸田文雄首相
岸田総理大臣とユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の日韓首脳会談が行われ、国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係をさらに発展させていくことで一致し10年以上途絶えている、首脳間の相互訪問、「シャトル外交」の再開を確認した。
岸田総理大臣は、16日、日本を訪れた韓国のユン・ソンニョル大統領と午後5時前からおよそ1時間半、総理大臣官邸で首脳会談を行った。
韓国の大統領が日本を訪問して首脳会談を行うのは、国際会議にあわせたものを除けば12年ぶり。
日韓首脳会談等(総理の一日)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/16korea.html
「 令和5年3月16日、岸田総理は、総理大臣官邸で大韓民国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と首脳会談等を行いました。
儀じょう隊による儀礼に続き、両首脳は会談を行った後、共同記者会見を行いました。その後、夕食会に続き、懇談を行いました。」
日韓共同記者会見(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2023/0316kaiken.html
「【岸田総理冒頭発言】
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の御訪日を心から歓迎申し上げます。今週、東京では桜の開花を迎えましたが、長い冬の時期を抜けて、二国間訪問としては約12年ぶりに、韓国の大統領を日本にお迎えいたしました。尹大統領との首脳会談において、現下の戦略環境の中で、日韓関係の強化は急務であること、そして1965年の国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を更に発展させていくことで一致いたしました。
(省略)」
日韓首脳会談(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page1_001529.html
「 3月16日午後4時50分から計約1時間25分間、岸田文雄内閣総理大臣は、訪日中の尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領と日韓首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです(少人数会合:午後4時50分から約25分間、全体会合:午後5時15分から約60分間)。
冒頭、岸田総理大臣から、今般の尹大統領の訪日を心から歓迎する、本日、将来に向けて日韓関係の新たな章を共に開く機会が訪れたことを嬉しく思うと述べました。両首脳は、現下の戦略環境の中で日韓関係の強化は急務であり、国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、関係を更に発展させていくことで一致しました。
両首脳は、両国の首脳が形式にとらわれず頻繁に訪問する「シャトル外交」の再開で一致しました。
旧朝鮮半島出身労働者問題に関し、率直な意見交換を行い、岸田総理大臣から、6日に日本政府が発表した立場に沿って発言しました。
両首脳は、日韓両国が共に裨益するような協力を進めるべく、政治・経済・文化など多岐にわたる分野で政府間の意思疎通を活性化していくこととし、具体的には、まずは日韓安全保障対話及び日韓次官戦略対話を早期に再開すること、またハイレベルの日韓中プロセスを早期に再起動する重要性について一致しました。また、両首脳は、サプライチェーンの強靭化や機微技術流出対策など、日韓両国が共に直面する課題を解決するため、日韓間で経済安全保障に関する協議を立ち上げることで一致しました。さらに、輸出管理分野においても進展があったことを歓迎しました。
岸田総理大臣から、両国間の人的交流がより一層活発化することで関係改善の好循環が更に加速することを期待する、政府としても対日理解促進交流プログラム(JENESYS)等により未来を担う若者の交流を支援していく旨述べました。また、両首脳は、今般の尹大統領の訪日を契機として、両国の経済団体が未来志向の日韓協力・交流のための「日韓・韓日未来パートナーシップ基金」を創立すると表明したことを歓迎しました。
現下の地域における厳しい安全保障環境の下で戦略的連携を進めていく必要性についても意見を交わしました。北朝鮮への対応に関し、両首脳は、今朝の北朝鮮によるICBM級弾道ミサイル発射を強く非難した上で、こうした北朝鮮による最近の核・ミサイル活動の活発化を踏まえ、日米同盟及び韓米同盟の抑止力及び対処力を一層強化するとともに、日韓、そして日韓米の安保協力を推進していくことの重要性で一致しました。また、拉致問題については、尹大統領から改めて支持を得ました。
また、両首脳は、この歴史の転換期において自由で開かれたインド太平洋を実現する重要性について確認し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くため同志国が力を合わせていく必要性について認識を共有しました。
ウクライナ情勢についても意見交換を行い、ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、こうした暴挙は東アジアを含む世界のどこであっても許してはならないとの点で一致しました。
両首脳は、今後も首脳間での意思疎通を継続していくこととしました。」
参考リンク
日韓首脳会談等(総理の一日)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/16korea.html
日韓首脳会談(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page1_001529.html
日韓関係改善へ動き出す 首脳会談で「シャトル外交」再開確認
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230316/k10014010651000.html
2023年3月16日のNHKニュースより転載
岸田総理大臣とユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の日韓首脳会談が行われ、国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係をさらに発展させていくことで一致し10年以上途絶えている、首脳間の相互訪問、「シャトル外交」の再開を確認しました。
戦後最悪とまで言われた日韓関係は、改善に向けて大きく動き出しました。
岸田総理大臣は、16日、日本を訪れた韓国のユン・ソンニョル大統領と午後5時前からおよそ1時間半、総理大臣官邸で首脳会談を行いました。
韓国の大統領が日本を訪問して首脳会談を行うのは、国際会議にあわせたものを除けば12年ぶりです。
岸田総理大臣は、会談のあとの共同記者会見で太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国政府傘下の財団が日本企業に代わり支払いを行う解決策について「日本政府としては、この措置を、非常に厳しい状態にあった日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして評価している」と述べました。
また、財団が原告への支払いを終えたあと、日本企業に弁済を求める、いわゆる「求償権」をめぐっては「ユン大統領の力強いリーダーシップのもと、韓国の財団が判決金などを支給する措置が発表された。措置の趣旨に鑑み、求償権の行使は想定していないものと承知している」と述べました。
その上で「日本政府は1998年10月に発表した日韓共同宣言を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいることを確認した。今後、韓国側の措置の実施とともに、両国間の政治、経済、文化などの分野における交流が力強く拡大していくことを期待する」と述べました。
会談で、両首脳は、安全保障環境が厳しさを増す中、日韓関係の強化は急務だとして、1965年の国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づいて関係をさらに発展させていくことで一致しました。
そして、10年以上途絶えている首脳間の相互訪問、「シャトル外交」の再開を確認しました。
また、けさの北朝鮮による弾道ミサイル発射をめぐっても意見を交わし、日韓両国やアメリカを加えた3か国で緊密に連携して対応していくことを確認しました。
さらに、両国の外務・防衛当局による「日韓安全保障対話」をおよそ5年ぶりに再開させることや、半導体のサプライチェーンや量子技術を含めた先端技術の優位性の確保などで協力を強化するため、経済安全保障に関する対話の枠組みを新たに創設することも確認しました。
また、両首脳は、日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAについて、両国が安全保障面での連携を強化することが地域の平和と安定に寄与するとして、安定的に運用していくことで合意しました。
このほか、「自由で開かれたインド太平洋」の重要性とともに、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くための同志国による連携の必要性を共有しました。
岸田総理大臣は、一連の会談の成果も踏まえ、記者会見で「今回のユン大統領の訪日は、日韓関係の正常化にとって、大きな1歩となった。訪日を契機として信頼と友情が育まれ、日韓関係が大いに飛躍することを期待している」と述べました。
太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題などを背景に、戦後最悪とまで言われた日韓関係は、改善に向けて大きく動き出しました。
一方、岸田総理大臣は会談で、慰安婦問題について、過去の両国間の合意の着実な履行を韓国側に求めたほか、島根県竹島をめぐる問題でも日本の立場を伝えました。
韓国のユン・ソンニョル大統領と岸田文雄首相
岸田総理大臣とユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の日韓首脳会談が行われ、国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係をさらに発展させていくことで一致し10年以上途絶えている、首脳間の相互訪問、「シャトル外交」の再開を確認した。
岸田総理大臣は、16日、日本を訪れた韓国のユン・ソンニョル大統領と午後5時前からおよそ1時間半、総理大臣官邸で首脳会談を行った。
韓国の大統領が日本を訪問して首脳会談を行うのは、国際会議にあわせたものを除けば12年ぶり。
日韓首脳会談等(総理の一日)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/16korea.html
「 令和5年3月16日、岸田総理は、総理大臣官邸で大韓民国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と首脳会談等を行いました。
儀じょう隊による儀礼に続き、両首脳は会談を行った後、共同記者会見を行いました。その後、夕食会に続き、懇談を行いました。」
日韓共同記者会見(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2023/0316kaiken.html
「【岸田総理冒頭発言】
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の御訪日を心から歓迎申し上げます。今週、東京では桜の開花を迎えましたが、長い冬の時期を抜けて、二国間訪問としては約12年ぶりに、韓国の大統領を日本にお迎えいたしました。尹大統領との首脳会談において、現下の戦略環境の中で、日韓関係の強化は急務であること、そして1965年の国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を更に発展させていくことで一致いたしました。
(省略)」
日韓首脳会談(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page1_001529.html
「 3月16日午後4時50分から計約1時間25分間、岸田文雄内閣総理大臣は、訪日中の尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領と日韓首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです(少人数会合:午後4時50分から約25分間、全体会合:午後5時15分から約60分間)。
冒頭、岸田総理大臣から、今般の尹大統領の訪日を心から歓迎する、本日、将来に向けて日韓関係の新たな章を共に開く機会が訪れたことを嬉しく思うと述べました。両首脳は、現下の戦略環境の中で日韓関係の強化は急務であり、国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、関係を更に発展させていくことで一致しました。
両首脳は、両国の首脳が形式にとらわれず頻繁に訪問する「シャトル外交」の再開で一致しました。
旧朝鮮半島出身労働者問題に関し、率直な意見交換を行い、岸田総理大臣から、6日に日本政府が発表した立場に沿って発言しました。
両首脳は、日韓両国が共に裨益するような協力を進めるべく、政治・経済・文化など多岐にわたる分野で政府間の意思疎通を活性化していくこととし、具体的には、まずは日韓安全保障対話及び日韓次官戦略対話を早期に再開すること、またハイレベルの日韓中プロセスを早期に再起動する重要性について一致しました。また、両首脳は、サプライチェーンの強靭化や機微技術流出対策など、日韓両国が共に直面する課題を解決するため、日韓間で経済安全保障に関する協議を立ち上げることで一致しました。さらに、輸出管理分野においても進展があったことを歓迎しました。
岸田総理大臣から、両国間の人的交流がより一層活発化することで関係改善の好循環が更に加速することを期待する、政府としても対日理解促進交流プログラム(JENESYS)等により未来を担う若者の交流を支援していく旨述べました。また、両首脳は、今般の尹大統領の訪日を契機として、両国の経済団体が未来志向の日韓協力・交流のための「日韓・韓日未来パートナーシップ基金」を創立すると表明したことを歓迎しました。
現下の地域における厳しい安全保障環境の下で戦略的連携を進めていく必要性についても意見を交わしました。北朝鮮への対応に関し、両首脳は、今朝の北朝鮮によるICBM級弾道ミサイル発射を強く非難した上で、こうした北朝鮮による最近の核・ミサイル活動の活発化を踏まえ、日米同盟及び韓米同盟の抑止力及び対処力を一層強化するとともに、日韓、そして日韓米の安保協力を推進していくことの重要性で一致しました。また、拉致問題については、尹大統領から改めて支持を得ました。
また、両首脳は、この歴史の転換期において自由で開かれたインド太平洋を実現する重要性について確認し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くため同志国が力を合わせていく必要性について認識を共有しました。
ウクライナ情勢についても意見交換を行い、ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、こうした暴挙は東アジアを含む世界のどこであっても許してはならないとの点で一致しました。
両首脳は、今後も首脳間での意思疎通を継続していくこととしました。」
参考リンク
日韓首脳会談等(総理の一日)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/16korea.html
日韓首脳会談(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page1_001529.html
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