[参院憲法審査会] 4月12日、参議院の緊急集会について自由討議
[参院憲法審査会] 4月12日、参議院の緊急集会について自由討議
憲法審査会・発言の要旨(2023年4月12日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/243740?rct=politics
2023年4月12日の東京新聞より転載
12日の参院憲法審査会での各会派の主な発言の要旨は次の通り。
◆各会派代表らの意見
牧野京夫氏(自民) 参院の緊急集会を超えた事態が発生したとき、憲法に条文がない「エマージェンシーパワー(緊急権)」に委ねることは、民主政治の視点からの議論が必要だ。早急に結論を得るべき論点の一つは、解散後70日間を超えて国会を召集できないほどの緊急事態が発生しているときでも、緊急集会で対応するのか、あるいは、議員任期の特例を設けるかということだ。
杉尾秀哉氏(立憲民主) 「70日間限定説」のような改憲ありきの意図的かつ便宜的な解釈論とは一線を画すべきだ。仮に衆院議員の任期満了後も緊急集会を開催できるという憲法解釈に立った場合、国会法の条文改正は必要か。
川崎政司参院法制局長 現行の国会法では文言上、緊急集会を開くことができる場合を、衆院解散時に限定するような規定は設けられていない。国会法を改正する必要はないとの理解が可能ではないか。
安江伸夫氏(公明) 緊急集会を開ける期間は最長70日間とも読めるが、緊急の必要が継続する限り開催できると理解することが妥当ではないか。緊急集会の開会は内閣が求め、議員による召集要求もできない。緊急集会が暫定的であることに鑑みれば、国会と同等の権限を認めることは困難ではないか。法改正でも(緊急集会の)権限の範囲を拡大できないとすれば、どういう問題が考えられるか議論を深めたい。
浅田均氏(維新) 緊急集会は、衆院が解散されたとき国会の機能をどう維持するのかという議論で、緊急事態のごく一部でしかない。司法も行政も立法も機能を喪失した事態さえ想定しておく必要がある。例外状態に誰が何をどのように守るべきかの議論が要求される。電磁パルス攻撃、サイバーテロから隕石の衝突まで、いかにして例外状態を法秩序につなぎ留めることができるかという議論が不可欠だ。
礒崎哲史氏(国民民主) 緊急集会の規定は二院制の例外で、その運用についてどこまで許容されるのか、丁寧に議論を重ねる必要がある。緊急集会の期間は議論の余地がある。期間単体のみならず、緊急集会に与えられる権能の範囲、議員が発議できる議案の範囲にも大きく関わってくる。緊急集会があくまで臨時対応で、長期間の対応が困難とした場合、国会機能を維持する策について議論を深めていく必要がある。
山添拓氏(共産) 戦前、衆院議員の任期が延長された事例とその理由は。
川崎氏 1941年2月に成立した法律により衆院議員の任期が42年4月29日まで1年延長された。緊迫した時局の下、総選挙を行うことは適当でないとの説明がなされた。
山添氏 その間に真珠湾攻撃を行い、無謀な戦争に突入した。緊急事態の危機をあおり、議員任期の延長、緊急事態条項の創設など改憲論へ突き進もうとするのは、歴史の教訓を踏まえない暴論だ。
山本太郎氏(れいわ) 緊急時に国民の参政権が制限された状態で、選挙で選ばれた期間を超えて任期延長された議会にフルサイズの権限を与えようというのは民主主義をないがしろにする提案だ。非常事態だからこそ、制約はあっても国民に票を投じる権利を保障することが重要。選挙ができない事態をでっち上げ、権力温存を図るようなやからが政権を握る可能性を考えても、任期延長改憲は断じて認められない。
憲法第五四条 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
2項 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
3項 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。
参議院インターネット審議中継
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
2023年4月12日
憲法審査会
約1時間34分
会議の経過
憲法審査会(第二回)
憲法に対する考え方について(参議院の緊急集会について)につ
いて意見の交換を行った。
発言者一覧
中曽根弘文(憲法審査会会長)
自民党の牧野京夫氏
立憲民主党の杉尾秀哉氏
国民民主党の礒崎哲史氏
共産党の山添拓氏
川崎政司(参議院法制局長)
れいわ新選組の山本太郎氏
4月12日、参院憲法審査会。
憲法に対する考え方について(参議院の緊急集会について)について意見の交換を行った。
各会派の代表が意見を述べた後、自由討議を行った。
自民党の牧野京夫氏
参院の緊急集会を超えた事態が発生したとき、憲法に条文がない「エマージェンシーパワー(緊急権)」に委ねることは、民主政治の視点からの議論が必要だ。
早急に結論を得るべき論点の一つは、解散後70日間を超えて国会を召集できないほどの緊急事態が発生しているときでも、緊急集会で対応するのか、あるいは、議員任期の特例を設けるかということだ。
立憲民主党の杉尾秀哉氏
「70日間限定説」のような改憲ありきの意図的かつ便宜的な解釈論とは一線を画すべきだ。
仮に衆院議員の任期満了後も緊急集会を開催できるという憲法解釈に立った場合、国会法の条文改正は必要か。
川崎政司(参議院法制局長)
現行の国会法では文言上、緊急集会を開くことができる場合を、衆院解散時に限定するような規定は設けられていない。
国会法を改正する必要はないとの理解が可能ではないか。
国民民主党の礒崎哲史氏
緊急集会の規定は二院制の例外で、その運用についてどこまで許容されるのか、丁寧に議論を重ねる必要がある。
緊急集会の期間は議論の余地がある。
期間単体のみならず、緊急集会に与えられる権能の範囲、議員が発議できる議案の範囲にも大きく関わってくる。
緊急集会があくまで臨時対応で、長期間の対応が困難とした場合、国会機能を維持する策について議論を深めていく必要がある。
共産党の山添拓
戦前、衆院議員の任期が延長された事例とその理由は。
川崎政司(参議院法制局長)
1941年2月に成立した法律により衆院議員の任期が42年4月29日まで1年延長された。
緊迫した時局の下、総選挙を行うことは適当でないとの説明がなされた。
山添拓氏
その間に真珠湾攻撃を行い、無謀な戦争に突入した。
緊急事態の危機をあおり、議員任期の延長、緊急事態条項の創設など改憲論へ突き進もうとするのは、歴史の教訓を踏まえない暴論だ。
れいわ新選組の山本太郎氏
緊急時に国民の参政権が制限された状態で、選挙で選ばれた期間を超えて任期延長された議会にフルサイズの権限を与えようというのは民主主義をないがしろにする提案だ。
非常事態だからこそ、制約はあっても国民に票を投じる権利を保障することが重要。
選挙ができない事態をでっち上げ、権力温存を図るようなやからが政権を握る可能性を考えても、任期延長改憲は断じて認められない。
参議院の緊急集会とは日本において衆議院解散のため衆議院が存在せず国会が開催できない場合において、国に緊急の必要が生じたために参議院で開かれる国会の機能を代替する集会(日本国憲法第54条2項但書・3項)。
衆院選の場合、国会の機能を参議院が代替します。
衆院選と参院選が同時になった場合、参議院が半分、残っていますから国会の機能を代替します。
日本国憲法は上手く出来ています。
関連(立憲民主党)
立民“緊急事態での国会機能維持は法整備が基本”党の考え方案(NHKニュース2022年12月29日)
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/495515680.html
関連(国民投票法)
[衆院憲法審査会] 4月6日、自民の“9条改正”に立民が疑念を主張
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498943918.html
[衆院憲法審査会] 3月30日、立民 小西議員の憲法論議めぐる発言 “発言切り取られ報道”
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498808725.html
[国民投票法改正案] 3月23日、衆院憲法審査会で国民投票法のあり方など議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498800032.html
[国民投票法改正案] 3月16日、国民投票でのCM規制の在り方など議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498764695.html
[国民投票法改正案] 12月8日、衆院憲法審査会で国民投票法改正案の参考人質疑 ネット広告扱い
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/494815267.html
[国民投票法改正案] 4月28日、衆院憲法審査会で国民投票法改正案が審議入り
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/487519627.html
[国民投票法改正案] 4月27日、憲法改正の手続き定めた国民投票法改正案を自公維新有志の会が共同提出
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/487513864.html
[国民投票法改正案] 6月11日、改正国民投票法が成立 憲法改正投票の際の投票所設置拡大など柱 共産党とれいわ新選組は反対
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/481947739.html
参考
[参院憲法審査会] 4月5日、“緊急事態時の国会機能 維持は” 議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498941218.html
[参院憲法審査会] 12月7日、参院選 選挙区の「合区」めぐり各党が意見
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/494780097.html
[参院憲法審査会] 11月9日、「合区」や旧統一教会の問題などで各党が主張
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/493590922.html
[参院憲法審査会] 6月8日、参院選の「合区」巡り、憲法学者から参考人質疑
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/488836237.html
[参院憲法審査会] 5月18日、参院選合区 自民 “憲法改正し解消” 立民 “法改正で可能”
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/488334366.html
[参院憲法審査会] 4月27日、オンライン国会 6会派が容認 共産党は反対
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/487514080.html
[参院憲法審査会] 4月13日、オンラインでの国会審議めぐり各党が意見
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/486745422.html
[参院憲法審査会] 4月6日、オンラインでの国会審議めぐり参考人質疑
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/486399730.html
[参院憲法審査会] 3月23日、 緊急事態時の議員任期など自由討議
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/486190073.html
[憲法審査会] 10月4日、参院憲法審査会を開催 憲法審査会会長の補欠選任で自民党の中川雅治氏が憲法審査会会長に就く
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/483746444.html
関連
[衆院憲法審査会] 3月9日、緊急事態の認定の在り方などについて各党主張
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498589620.html
[衆院憲法審査会] 3月2日、緊急事態での対応などで議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498498857.html
[衆院憲法審査会] 12月1日、 緊急事態での国会議員任期延長めぐり各党議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/494562430.html
[衆院憲法審査会] 緊急事態の議員任期延長 意見集約図るか焦点
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/494137101.html
[衆院憲法審査会] 11月17日、大規模災害など緊急事態対応めぐり発言相次ぐ
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/493679550.html
[衆院憲法審査会] 11月10日、緊急事態での国会議員の任期延長めぐり議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/493592562.html
[衆院憲法審査会] 10月27日、 9条改正 政治と宗教の関係など各党が主張
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/492965934.html
[衆院憲法審査会] 10月13日、“毎週開くかは議論の内容による” 立民 中川氏
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/492515730.html
公明 北側副代表 憲法論議めぐり「臨時国会で詰めの議論を」(NHKニュース2022年10月5日)
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/492223057.html
[衆院憲法審査会] 6月2日、憲法改正の国民投票 ネット情報扱いめぐり議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/488614241.html
[衆院憲法審査会] 5月26日、地方自治などテーマに各党討議 日本維新の会は道州制を訴え
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/488433621.html
[衆院憲法審査会] 5月19日、憲法9条 自衛権の範囲などで各党が議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/488334568.html
[衆院憲法審査会] 5月12日、自民“9条改正”立民“改憲ありき反対”を主張
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/488201620.html
[衆院憲法審査会] 4月21日、憲法改正の国民投票に伴うテレビCMなど 規制強化に反対 民放連
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/487348510.html
[衆院憲法審査会] 4月14日、国民投票法めぐり ネット広告の規制など議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/486745574.html
[衆院憲法審査会] 4月7日、緊急事態対応での議員任期延長めぐり議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/486399828.html
[衆院憲法審査会] 3月31日、緊急事態への対応で各党が意見交わす
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/486301605.html
[衆院憲法審査会] 3月24日、緊急事態発生時の対応 憲法に規定必要か 集中討議
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/486190429.html
[衆院憲法審査会] 3月17日、 緊急事態条項の必要性など自由討議 共産党の赤嶺政賢氏「憲法審査会を動かすべきでない」
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/486051924.html
[衆院憲法審査会] 3月8日、オンラインでの国会審議 報告書を細田衆院議長に提出
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485916537.html
[衆院憲法審査会] 3月3日、オンライン国会審議 緊急時は憲法改正せず可能 共産党を除く各党・会派の賛成多数で報告書を議決
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485837125.html
[衆院憲法審査会] 3月3日10時~ オンライン国会審議 憲法改正せず可能の意見多数 文書をまとめる方向で調整
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485818307.html
[衆院憲法審査会] 2月24日、オンライン国会審議実現に憲法改正は必要か 有識者の意見聞く
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485748158.html
[衆院憲法審査会] 2月24日10時~ 憲法審査会を開催
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485726071.html
[衆院憲法審査会] 2月17日、オンラインでの国会審議の実現めぐり議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485648783.html
[衆院憲法審査会] 2月17日10時~ 憲法審査会を開催 オンラインによる国会審議をテーマに
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485634770.html
[衆院憲法審査会] 2月10日、コロナ感染拡大受け“緊急事態”めぐり討議
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485610034.html
[衆院憲法審査会] 立民、衆院憲法審の2月10日開催を容認 CM規制など議論条件
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485540821.html
[衆院憲法審査会] 2月3日、幹事懇談会 日程めぐる協議折り合わず 継続協議に
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485473353.html
[衆院憲法審査会] 立民憲法調査会 中川会長「予算委中は審査会開催に応じず」
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/485370181.html
憲法審査会“予算案審議中も開催し議論を” 公明 北側憲法調査会長
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/484953148.html
公明 北側憲法調査会長 国会開会中 憲法審 週1回開催し議論を
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/484323276.html
公明 北側憲法調査会長「緊急事態対応」議論進める必要
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/470497145.html
憲法審査会・発言の要旨(2023年4月12日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/243740?rct=politics
2023年4月12日の東京新聞より転載
12日の参院憲法審査会での各会派の主な発言の要旨は次の通り。
◆各会派代表らの意見
牧野京夫氏(自民) 参院の緊急集会を超えた事態が発生したとき、憲法に条文がない「エマージェンシーパワー(緊急権)」に委ねることは、民主政治の視点からの議論が必要だ。早急に結論を得るべき論点の一つは、解散後70日間を超えて国会を召集できないほどの緊急事態が発生しているときでも、緊急集会で対応するのか、あるいは、議員任期の特例を設けるかということだ。
杉尾秀哉氏(立憲民主) 「70日間限定説」のような改憲ありきの意図的かつ便宜的な解釈論とは一線を画すべきだ。仮に衆院議員の任期満了後も緊急集会を開催できるという憲法解釈に立った場合、国会法の条文改正は必要か。
川崎政司参院法制局長 現行の国会法では文言上、緊急集会を開くことができる場合を、衆院解散時に限定するような規定は設けられていない。国会法を改正する必要はないとの理解が可能ではないか。
安江伸夫氏(公明) 緊急集会を開ける期間は最長70日間とも読めるが、緊急の必要が継続する限り開催できると理解することが妥当ではないか。緊急集会の開会は内閣が求め、議員による召集要求もできない。緊急集会が暫定的であることに鑑みれば、国会と同等の権限を認めることは困難ではないか。法改正でも(緊急集会の)権限の範囲を拡大できないとすれば、どういう問題が考えられるか議論を深めたい。
浅田均氏(維新) 緊急集会は、衆院が解散されたとき国会の機能をどう維持するのかという議論で、緊急事態のごく一部でしかない。司法も行政も立法も機能を喪失した事態さえ想定しておく必要がある。例外状態に誰が何をどのように守るべきかの議論が要求される。電磁パルス攻撃、サイバーテロから隕石の衝突まで、いかにして例外状態を法秩序につなぎ留めることができるかという議論が不可欠だ。
礒崎哲史氏(国民民主) 緊急集会の規定は二院制の例外で、その運用についてどこまで許容されるのか、丁寧に議論を重ねる必要がある。緊急集会の期間は議論の余地がある。期間単体のみならず、緊急集会に与えられる権能の範囲、議員が発議できる議案の範囲にも大きく関わってくる。緊急集会があくまで臨時対応で、長期間の対応が困難とした場合、国会機能を維持する策について議論を深めていく必要がある。
山添拓氏(共産) 戦前、衆院議員の任期が延長された事例とその理由は。
川崎氏 1941年2月に成立した法律により衆院議員の任期が42年4月29日まで1年延長された。緊迫した時局の下、総選挙を行うことは適当でないとの説明がなされた。
山添氏 その間に真珠湾攻撃を行い、無謀な戦争に突入した。緊急事態の危機をあおり、議員任期の延長、緊急事態条項の創設など改憲論へ突き進もうとするのは、歴史の教訓を踏まえない暴論だ。
山本太郎氏(れいわ) 緊急時に国民の参政権が制限された状態で、選挙で選ばれた期間を超えて任期延長された議会にフルサイズの権限を与えようというのは民主主義をないがしろにする提案だ。非常事態だからこそ、制約はあっても国民に票を投じる権利を保障することが重要。選挙ができない事態をでっち上げ、権力温存を図るようなやからが政権を握る可能性を考えても、任期延長改憲は断じて認められない。
憲法第五四条 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
2項 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
3項 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。
参議院インターネット審議中継
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
2023年4月12日
憲法審査会
約1時間34分
会議の経過
憲法審査会(第二回)
憲法に対する考え方について(参議院の緊急集会について)につ
いて意見の交換を行った。
発言者一覧
中曽根弘文(憲法審査会会長)
自民党の牧野京夫氏
立憲民主党の杉尾秀哉氏
国民民主党の礒崎哲史氏
共産党の山添拓氏
川崎政司(参議院法制局長)
れいわ新選組の山本太郎氏
4月12日、参院憲法審査会。
憲法に対する考え方について(参議院の緊急集会について)について意見の交換を行った。
各会派の代表が意見を述べた後、自由討議を行った。
自民党の牧野京夫氏
参院の緊急集会を超えた事態が発生したとき、憲法に条文がない「エマージェンシーパワー(緊急権)」に委ねることは、民主政治の視点からの議論が必要だ。
早急に結論を得るべき論点の一つは、解散後70日間を超えて国会を召集できないほどの緊急事態が発生しているときでも、緊急集会で対応するのか、あるいは、議員任期の特例を設けるかということだ。
立憲民主党の杉尾秀哉氏
「70日間限定説」のような改憲ありきの意図的かつ便宜的な解釈論とは一線を画すべきだ。
仮に衆院議員の任期満了後も緊急集会を開催できるという憲法解釈に立った場合、国会法の条文改正は必要か。
川崎政司(参議院法制局長)
現行の国会法では文言上、緊急集会を開くことができる場合を、衆院解散時に限定するような規定は設けられていない。
国会法を改正する必要はないとの理解が可能ではないか。
国民民主党の礒崎哲史氏
緊急集会の規定は二院制の例外で、その運用についてどこまで許容されるのか、丁寧に議論を重ねる必要がある。
緊急集会の期間は議論の余地がある。
期間単体のみならず、緊急集会に与えられる権能の範囲、議員が発議できる議案の範囲にも大きく関わってくる。
緊急集会があくまで臨時対応で、長期間の対応が困難とした場合、国会機能を維持する策について議論を深めていく必要がある。
共産党の山添拓
戦前、衆院議員の任期が延長された事例とその理由は。
川崎政司(参議院法制局長)
1941年2月に成立した法律により衆院議員の任期が42年4月29日まで1年延長された。
緊迫した時局の下、総選挙を行うことは適当でないとの説明がなされた。
山添拓氏
その間に真珠湾攻撃を行い、無謀な戦争に突入した。
緊急事態の危機をあおり、議員任期の延長、緊急事態条項の創設など改憲論へ突き進もうとするのは、歴史の教訓を踏まえない暴論だ。
れいわ新選組の山本太郎氏
緊急時に国民の参政権が制限された状態で、選挙で選ばれた期間を超えて任期延長された議会にフルサイズの権限を与えようというのは民主主義をないがしろにする提案だ。
非常事態だからこそ、制約はあっても国民に票を投じる権利を保障することが重要。
選挙ができない事態をでっち上げ、権力温存を図るようなやからが政権を握る可能性を考えても、任期延長改憲は断じて認められない。
参議院の緊急集会とは日本において衆議院解散のため衆議院が存在せず国会が開催できない場合において、国に緊急の必要が生じたために参議院で開かれる国会の機能を代替する集会(日本国憲法第54条2項但書・3項)。
衆院選の場合、国会の機能を参議院が代替します。
衆院選と参院選が同時になった場合、参議院が半分、残っていますから国会の機能を代替します。
日本国憲法は上手く出来ています。
関連(立憲民主党)
立民“緊急事態での国会機能維持は法整備が基本”党の考え方案(NHKニュース2022年12月29日)
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/495515680.html
関連(国民投票法)
[衆院憲法審査会] 4月6日、自民の“9条改正”に立民が疑念を主張
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498943918.html
[衆院憲法審査会] 3月30日、立民 小西議員の憲法論議めぐる発言 “発言切り取られ報道”
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498808725.html
[国民投票法改正案] 3月23日、衆院憲法審査会で国民投票法のあり方など議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498800032.html
[国民投票法改正案] 3月16日、国民投票でのCM規制の在り方など議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498764695.html
[国民投票法改正案] 12月8日、衆院憲法審査会で国民投票法改正案の参考人質疑 ネット広告扱い
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/494815267.html
[国民投票法改正案] 4月28日、衆院憲法審査会で国民投票法改正案が審議入り
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/487519627.html
[国民投票法改正案] 4月27日、憲法改正の手続き定めた国民投票法改正案を自公維新有志の会が共同提出
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/487513864.html
[国民投票法改正案] 6月11日、改正国民投票法が成立 憲法改正投票の際の投票所設置拡大など柱 共産党とれいわ新選組は反対
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/481947739.html
参考
[参院憲法審査会] 4月5日、“緊急事態時の国会機能 維持は” 議論
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/498941218.html
[参院憲法審査会] 12月7日、参院選 選挙区の「合区」めぐり各党が意見
https://hazukinoblog02.seesaa.net/article/494780097.html
[参院憲法審査会] 11月9日、「合区」や旧統一教会の問題などで各党が主張
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[参院憲法審査会] 6月8日、参院選の「合区」巡り、憲法学者から参考人質疑
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[参院憲法審査会] 5月18日、参院選合区 自民 “憲法改正し解消” 立民 “法改正で可能”
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[参院憲法審査会] 4月27日、オンライン国会 6会派が容認 共産党は反対
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[参院憲法審査会] 4月13日、オンラインでの国会審議めぐり各党が意見
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[参院憲法審査会] 4月6日、オンラインでの国会審議めぐり参考人質疑
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[参院憲法審査会] 3月23日、 緊急事態時の議員任期など自由討議
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[憲法審査会] 10月4日、参院憲法審査会を開催 憲法審査会会長の補欠選任で自民党の中川雅治氏が憲法審査会会長に就く
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[衆院憲法審査会] 3月9日、緊急事態の認定の在り方などについて各党主張
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[衆院憲法審査会] 3月2日、緊急事態での対応などで議論
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[衆院憲法審査会] 12月1日、 緊急事態での国会議員任期延長めぐり各党議論
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[衆院憲法審査会] 緊急事態の議員任期延長 意見集約図るか焦点
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[衆院憲法審査会] 11月17日、大規模災害など緊急事態対応めぐり発言相次ぐ
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[衆院憲法審査会] 11月10日、緊急事態での国会議員の任期延長めぐり議論
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[衆院憲法審査会] 10月27日、 9条改正 政治と宗教の関係など各党が主張
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[衆院憲法審査会] 10月13日、“毎週開くかは議論の内容による” 立民 中川氏
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公明 北側副代表 憲法論議めぐり「臨時国会で詰めの議論を」(NHKニュース2022年10月5日)
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[衆院憲法審査会] 6月2日、憲法改正の国民投票 ネット情報扱いめぐり議論
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[衆院憲法審査会] 5月26日、地方自治などテーマに各党討議 日本維新の会は道州制を訴え
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[衆院憲法審査会] 5月19日、憲法9条 自衛権の範囲などで各党が議論
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[衆院憲法審査会] 5月12日、自民“9条改正”立民“改憲ありき反対”を主張
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[衆院憲法審査会] 4月21日、憲法改正の国民投票に伴うテレビCMなど 規制強化に反対 民放連
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[衆院憲法審査会] 4月14日、国民投票法めぐり ネット広告の規制など議論
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[衆院憲法審査会] 4月7日、緊急事態対応での議員任期延長めぐり議論
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[衆院憲法審査会] 3月31日、緊急事態への対応で各党が意見交わす
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[衆院憲法審査会] 3月24日、緊急事態発生時の対応 憲法に規定必要か 集中討議
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[衆院憲法審査会] 2月10日、コロナ感染拡大受け“緊急事態”めぐり討議
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[衆院憲法審査会] 立民憲法調査会 中川会長「予算委中は審査会開催に応じず」
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憲法審査会“予算案審議中も開催し議論を” 公明 北側憲法調査会長
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公明 北側憲法調査会長 国会開会中 憲法審 週1回開催し議論を
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公明 北側憲法調査会長「緊急事態対応」議論進める必要
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